27.素肌



「ラウの肌ってキレーだよな」
人の腕を取り勝手にさすりながら、ムウがしみじみと呟く。
「すべすべして、赤ん坊の肌みたいだ」
赤ん坊に触れたことがあるのか、そう尋ねるとムウは笑った。
「だいぶ前だけどな。一度だけ抱かせてもらったことがある。すごく柔らかくて、いい匂いだったな」
ムウは腕を持ち上げて顔を近づけようとしていた。……まさか、匂いでも嗅ぐつもりか。
「あ。……いいじゃん別に減るもんじゃないし」
変態かお前は。
「わーかった、変なことはしないから。触るくらいならいいだろ?」
そう云って再び腕を取られる。
「うん、やっぱ好きだ」
こんなもの、どうせ中身はボロボロで使い物にならないようなところばかりだ。外見の状態にどんな意味があるという。
「そういうんじゃなくてだな」
では、どうであると?
「俺はラウに触れるのが好きだし、触れていて気持ちいいと思う。それだけだよ」
云いながらも触れる指先はあたたかくて、穏やかな表情は静かに笑みを浮かべていて。
「――それだけでも、俺には大切なことなんだ」

そうだな、お前に触れられるのは嫌いじゃない。
そう云えば、お前は笑うだろうか。
そうして、するだろうか。
いつものように、キスを。




    えぇ〜っと、ラブです か?(笑)