24.何もしない時間 床に寝転がって、天井を見つめる。 白い天井に目を凝らすと、それが近いような遠いような不可思議な感覚に陥って。 遠くに聞こえるざわめきは、風の音か人の声か、それとももっと違ったものなのだろうか。 何も考えず、ただぼんやりとしていた。 それだけの時間、常であれば無駄だと思うような過ごし方を、なぜ自分がしているのかその理由はよくわからない。 ただ、手を引かれて横になって、気づけば勝手に時間が過ぎていただけのことで。 ふと自分のすぐ横に目を向けると、そこには間抜けな顔をして寝こける男がひとり。 起こす理由も起きる理由も見つからず、小さく溜息をついて目を閉じた。 ――こうしてまた、一日が過ぎていく。 ただぼんやりと。こんな一日も、たまにはいいかな。 |