19.方程式



愛しているよ
たったひとりの大切な君


「ほら、な」

睦言を紡ぐ口、
些細な言葉さえ呑みこんでしまう口、
そのどちらが正しいかなんてわからないけれど。

「う、るさ……っ」
「うそつき」

口とは裏腹に素直な指先、
言葉とは反対に意地の悪い指先、
どちらも矛盾していない確かな想いで。

「はな、せっ」
「ヤだよ」

それでも、ほら。
繋いだ手のぬくもりは決して嘘ではないと、
それだけはわかるから。

触れたそこから繋がる思いは
きっと互いの全てを通じて同じものになる。

未知数である何かなど問題にならないほどに、
けれど確かに同じだと思えるもので。


たったひとりの君
たったひとりの僕

結ばれた瞬間

僕らはひとつになる




    お題と関係なさ気ですね…(汗)
    「方程式」といえば「イコール、同じ」とかゆーわけのわからん理屈より。
    久し振りにとにかく甘いの書こうかなと(本音)