12月23日
「な、クリスマスどうする?」 「どう、とは?」 「珍しくどっちもバイト休みなんだしさ、どっか遊びに……」 「あの混雑の中をか?」 「……だよなぁ」 「ここでゆっくりしているだけで充分だ。どうせまた、お前がケーキだの ディナーだの作るのだろう?」 「――」 「どうした」 「あ、いや……。うん、まかせとけ! 旨いものたくさん作ってやるからな」 実はちょっと嬉しかったなんて秘密。 「では、5時にそちらで待っていれば良いのですね?」 「ああそうだ。迎えの車を寄越すから、お前は立っているだけで充分だろう」 「はい」 「せっかくのクリスマスだというのに、すまないな」 「いえ、俺のことは気にしないでください。あなたにはあなたの仕事があるのですから」 「私個人としては、仕事よりもお前を優先したいのだけれどね。……この 埋め合わせは、必ずする」 「いえ、俺は別に」 「……お前は、私と一緒にいたくはないのか?」 「そんなことはっ」 「ならば、こういうときは否定をするものじゃないだろう」 「――っ」 「ん?」 「……ありがとうございます」 実はちょっと寂しかったなんて秘密。 |